三浦佳生(17) 男子2位の合計265.29点。SPは1位の94.06点で、フリーは2位の171.23点だった

「自分は理論的ではないので、とりあえず(空中で)体を締めたら降りることしか考えていないです」

 今季から三浦の体のケアを担当する前波卓也トレーナーは、

「体の基礎能力が高い。ポテンシャルがずば抜けている。新しい世界の人だと思う」

 2014年ソチ五輪代表の町田樹さんら数々の選手を見てきたトレーナーの言葉には、驚きすらにじむ。

■GPファイナル出場も

 ジャンプ以外の部分でも、短期間で急激な成長を見せた。SPのスピン、ステップは四つ全てが最高評価の「レベル4」。スケートアメリカでは一つだっただけに大きな飛躍だった。

 フリーは6分間練習中に右足の靴ひもが切れるトラブルに遭い、急きょジャンプの構成を変えた。ジャンプの状態はいま一つだったが、総合2位。これで2戦連続2位となり、GPファイナル(12月8~11日、イタリア・トリノ)出場もあり得る。

 三浦が言う。

「全く予想していませんでした。頑張って表彰台に上れたらいいなと思っていた。アメリカで2位になったところから、この大会も2位になることができて、予想外。もしファイナルに行けるとなった時は、本当に万全なコンディションで力を出し切れるように頑張りたいです。もし行けたら……」

■日本ペアがGP初優勝

 カナダでは日本フィギュア界の歴史をこの2人がまた塗り替えてくれた。「りくりゅう」の愛称で知られるペアの三浦璃来(20)、木原龍一(30)組だ。

 大会ポスターに、ペアでは唯一紹介された。その期待にしっかり応え、SP、フリーともに1位の完全優勝。日本ペアがGPシリーズで優勝するのは初めてのことだ。

 昨季世界選手権は銀メダルに輝いたが、今季は約2カ月の出遅れがある。

 三浦が夏のアイスショーで左肩を脱臼。このケガのためにペアを組んで練習し始めたのは9月中旬からだという。フリーに関しては、「(10月29日の本番が)通しでやるのは5度目」と木原は明かす。

 確かに、細部を見ればかみ合っていないところもあった。だが、この2人に関しては他のペアを圧倒するスピードがある。さらに、ツイストリフトなど一つ一つの技の精度が高く、もはや世界を代表するペアだ。

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