今後、こういった形をとる球団が多くなると、「スーパースター」と「若手」の二極化が進むことになろう。「費用対効果」が薄いと判断されれば、いつでも放出対象になるということだ。これは「移籍活性化」という観点から言えば歓迎だろうが、12球団しかない日本。大リーグ30球団とは規模も違うし、どこまで活性化するかは疑問である。「クビ」の要素が強くなれば、選手会だって問題視することになる。
ここまで何度も指摘してきたが、「主力9人野球」という時代ではなくなった。支配下選手の特長をうまく組み合わせ、チーム力を最大化する時代となった。とはいえ、西川は今年の盗塁王でもある。行き過ぎのような気もするが。選手の立場を守ってあげることとのバランスを取ることも球界にとって大事である。
東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝
※このコラムは11月20日より前に執筆されました。
※週刊朝日 2021年12月3日号