※写真はイメージです(aflo)
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 イーロン・マスク氏がツイッター社のCEOに就任し「取締役の全員解雇」を断行しました。これは単なる横暴や権力欲ではなく、計算された戦略です。裏にはマスク氏が経営するテスラ、スペースX、ツイッターの3社が揃わないと実現しない「ある狙い」が存在します。(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)

マスク氏がツイッター社のCEOに
取締役全員解雇を断行

 ツイッターを巡る動きがあわただしくなってきました。イーロン・マスク氏によるツイッターの買収劇は、訴訟から一転して和解、10月27日に買収を完了し、即日、前CEOと前CFOを解雇したと報じられました。

 それだけではなく10月31日付でマスク氏がSECに提出した書類によれば、すでにツイッター社の取締役9人は解任され、現在ではイーロン・マスク氏が唯一の取締役となっていることが判明しました。

 マスク氏はかねがねツイッター社の収益が低いことを問題視していると報じられ、大幅な解雇がこれから始まると予想されています。同時に不正アカウントのチェックや凍結ルールなどについての不満からツイートの新しい監視体制を導入したり、ハッシュタグや認定バッジの有料化などサービス変更も進みそうです。

 大規模なリストラを進めるにも、サービス内容の大幅な変更を行うにも、社内の抵抗勢力が邪魔になるでしょう。その意味でまずはマスク氏が全権を握ったというのが、一般的な見方です。

 同時に、起業家の誰もが持つ権力欲があるのではという裏を読んだ見方も目立ちます。業績が低迷するツイッター社の改革の推進が表の理由とすれば、旧態依然たる大組織に乗り込んで、思うままに動かしたいという権力意識が強いというのが全員解任まで至った裏の理由ではないかというのです。

 ここまでは経済に関わるメディアの報道と同じなのですが、長らくイーロン・マスク氏の行動を観察してきた私としては、この話にはさらに裏のウラの理由があるように思えて仕方ありません。ここからは未来予測専門の経済評論家のかなり尖った推理だという前提で、記事をお読みいただければと思います。

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テスラ、スペースX、ツイッターでマスク氏が狙う「計画」とは?