テスラ、スペースX、ツイッターは
マスク氏の構想に欠かせない

 イーロン・マスク氏は一見破天荒な起業家に見えますが、その行動には一貫した理由があります。無駄なこと、意味のないことにはマスク氏は時間は使いません。

 今回、マスク氏がツイッターを買収して改革を進めるとなると、経営者としても投資家としてもものすごく大きなエネルギーを割かざるを得なくなります。スペースXの宇宙事業がうまく回り始めた一方で、テスラの販売台数は中国勢と熾烈な世界トップ争いを繰り広げている今、ツイッターにマスク氏の貴重な時間を費やすのは一見愚策に思えるかもしれません。

 しかし、ツイッターがスペースX、テスラと連なるマスク氏の構想の重要パーツだと捉えたら、この絵柄はまったく違ったものに見えてきます。

次世代の自動車業界の動向として中国でレベル4の自動運転車の発売が発表され、アメリカ・アリゾナ州のフェニックスでは無人のロボタクシーが運行を始めている今、業界としてはEV化と自動運転化はひとつの節目を迎えつつあります。

 そうなると次なる自動車業界の主戦場は「コネクテッド化」に移ります。日本人はコネクテッドカーというとCMのイメージから、カーナビがネットやコンタクトセンターにつながって車のサービスが便利になることを思い浮かべることが多いのですが、実際の主戦場はもっと深いところにあります。

 簡単に言うと、コネクテッド化の主戦場はIoT、つまり車の部品が「つぶやく」ことなのです。

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自動車の部品が「つぶやく」時代が来るといえる理由