20年、学習院女子高等科の卒業式はコロナ禍もあり、愛子さま1人で報道陣の前に立った。堂々とした受け答えの後、式場に向かう後ろ姿には、ポニーテールが揺れていた。

19歳の春ボブに変身

 そして今年4月、愛子さまはボブヘアへと大変身した。30センチ近くは切ったであろう思い切りの良さに、愛子さまの強さを感じた。愛子さまは皇室を「自分の場所」としたのだろう、と。皇后となった雅子さまもきっと同じ思いに違いない、とも。

2021年5月6日【19歳】皇居に入る愛子さま。長く可愛がっていた愛馬「豊歓(とよよし)号」に別れを告げるための皇居訪問。髪形をボブに
2021年5月6日【19歳】皇居に入る愛子さま。長く可愛がっていた愛馬「豊歓(とよよし)号」に別れを告げるための皇居訪問。髪形をボブに

 などという勝手な解釈より、愛子さまの言葉だ。聞ける日が近い。成人にあたっての記者会見が開かれるのが、内親王の恒例だ。いつになるのか、宮内庁は発表していない。来年以降という報道もあったが、愛子さまが初めて国民に対して思いを語る場となる。これからと将来、両方を語ることになるだろう。

 愛子さまは「女性皇族」としての自分をどうとらえているのだろう。眞子さんが儀式なし、一時金辞退という結婚を選択したのは、女性皇族と一個人とのせめぎ合いの結果だったように思う。「天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる」とだけ皇室典範で定められている女性皇族。公務に励んでも、その先に待っているのが何なのか、すごく曖昧な存在だ。愛子さまは、「天皇家の長女」という立場と、「愛子」という一個人としての立場をどう捉えているのだろう。(コラムニスト・矢部万紀子

AERA 2021年12月6日号より抜粋

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