漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「アバランチ」(フジテレビ系 月曜22:00~)をウォッチした。
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権力者の不正を暴く謎の集団「アバランチ」。そのメンバーは、警視庁公安部外事3課を退職した羽生(綾野剛)。元内閣情報調査室の山守(木村佳乃)、元捜査1課の西城(福士蒼汰)や、元爆弾処理班に元レンジャー、ハッカーとエキスパートぞろいだ。
ゴリゴリのアクションシーンと緑みを帯びザラついた映像が見どころだが、そこはかとなく漂ってくる昭和の香り。
なんだろう、「それが俺たちアバランチだ!」と名乗っちゃうせい? 元警察関係ってのが「ザ・ハングマン」(黒沢年男や名高達郎が出てたやつ)を思い出すせい?
そもそも理不尽な悪を成敗する闇の集団といえば、時代劇「必殺」シリーズ。何が違うかってーと、令和の「必殺」アバランチは悪者を生配信動画でさらし、社会的に息の根を止めるのだ。
でも、この動画配信やSNSの書き込み画面て既視感たっぷり(主に秋元康作品)。斎藤工が海岸に漂着すれば動画投稿。西島秀俊に真犯人のフラグが立てば、ユーチューバーが動画で解説。けっこうお腹(なか)いっぱいだ。
何か予想外の展開来~いなどと、失敬な上から目線で見てたら、衝撃のなんだこれ!? 的映像が! それはアバランチのまとめ役・木村佳乃の秘密(?)の小部屋。
そこには真の標的、内閣官房副長官・大山(渡部篤郎)や、彼に連なる人々の写真や記事が壁いっぱいに貼られている。