
林:藤田さん、どこかで「恋愛経験は少ないほうではないと思うが、すべて小池真理子と出会うためのものだった」と言ってましたよ。
小池:アハハハ。たまに言ってましたね、そういうことを。あの世代の男には珍しく、言われると女性がポッと顔を赤らめて喜びそうなことを、照れずに平気で言えるところのある人でした。
林:でも、それは小池さんだけに言っていたんだと思いますよ。
小池:いやいや、ほかでも言ってたと思いますよ。けっこうほめ上手なので、銀座でもモテていたらしい。
林:まあ、そうなんですね。ところで軽井沢って、私も別荘があるからときどき行くんだけど、アウトレットなんかもあるでしょう。もちろん藤田さんの闘病中はそれどころじゃなかったでしょうけど、普段は軽井沢でお洋服たくさん買ったりしていたんですか?
小池:アウトレットではほとんど買いませんね。基本的に洋服は、東京に出てきたときに買っています。でも、ここ最近はコロナ禍だったし、その前には夫がずっと闘病していたので、洋服なんかぜんぜん買いに行く気分になれませんでしたよ。必要になったら、軽井沢の「しまむら」とかで買うくらい(笑)。
林:えっ、うそ。小池さん、わりとミニマリズムの生活だよね。
小池:林さんに比べたらね(笑)。
林:私、軽井沢でけっこうアウトレットに行くんだけど、このあいだ、わりと高い革のジャケットを買ったら、「お買い上げありがとうございました」ってメールが来たわけ。だけど、それまで買ったことさえ忘れていて、どこにあるのかもわかんない(笑)。
小池:どうしてそういうことが起こるんだろう(笑)。
林:ストレス発散で買い物するけど、それで気がすんで忘れちゃうわけ。よくないなあ、ってつくづく思いますよ。小池さんは、朝起きて、野鳥にヒマワリの種を……。
小池:エサ台に出しておくと、10種類ぐらい野鳥が来ますよ、冬は。
林:そのあと朝食をつくって。
小池:ブランチですけどね。自分でつくって、猫にごはんをやって……。
林:それから執筆に入るんでしょう? すごく清潔ですてきな暮らしですよね。
小池:もともと一人でそういう生活をしていたわけじゃなくて、そこに夫がいたわけです。夫がいなくなったあともそういう習慣をこわしちゃいけないと思って、渾身の努力をしてるんですよ。