岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office

 動物写真家・岩合光昭さんが見つけた“いい(こ)”を紹介する「今週の猫」。今回は、京都府京都市右京区の「猫の細道」です。

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撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office

 お酒の神様を祀る梅宮大社の一角に、奉納された酒樽が並ぶ棚がある。樽と棚板のわずかな隙間を、大社で暮らす15匹ほどの猫たちが通り道にしていた。

 この日の通行猫は、9歳のトニー。十数センチの空間に、しなやかに体をすべりこませる。狭い上に高所であるため、一度入ったら引き返すことはできない。のそのそのそ……前進あるのみだ。

 冬毛をまとい丸々とした猫たち。樽の道で、ふくよかなお腹がつっかえでもしたら大変。正月太りには気をつけるんだよ。

デジタル岩合
http://www.digitaliwago.com/

週刊朝日  2021年12月10日号

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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