■やるべきことはある

SKY-HI:世の中にはどうにもならないことはたくさんありますが、結局何とかなると経験上わかっているし、思っていた通りに100%なることが成功ではないと思います。でも、もし高速道路に乗れなかったら下道で近道を探せばいい。それは生きていたら必ずあることだから、焦る必要はない。自分の責任を認識しつつ、常に楽しく生きようと思っています。

――かつては、「自分が自分でいられる場所がなかった」と語った。その場所を作ったいま、何を思うのだろうか。

SKY-HI:最近、指摘されて自分でも驚いたんですが、僕は24時間ずっと状態が一緒なんですよ。今の状態のまま会議にも出るし、インタビューも受けるし、ライブもする。このインタビューもアーティストなのか、経営者なのか、プロデューサーなのか、よくわからないでしょう(笑)。でも、それこそが僕であり、「自分のままでいられている」ということだと思います。

 やり残したことは特にありませんが、やるべきことはあると思っています。人生において、一緒に曲を作るべき人がいる。その人たちは何もしないでいるといつかは音楽をやめてしまうから、やらなければと思う。僕自身は、音楽を作れていればいい。極論をすると、リリースしなくてもいいから、音楽を作っていたいと思います。

(ライター・小松香里)

AERA 2022年11月7日号

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