この「入り口」の時点で、チーム全員が共通認識を持てれば、一貫したコンセプトがある商品が出来る。しかし、ここで間違えると、最後の「出口」でお客様に伝わらない商品になってしまう。
商品にネガティブなコメントがSNSに上がっていたら、すぐに社内に周知し、制作過程で見落としていたことがなかったか、チームでとことん話し合う。
一つの商品が完成するまでには、開発やブランディングなど、多くの人々が関わる。点と点を線に繋ぎ、出口へと引っ張っていく。
商品の背景に流れるストーリーや意味、お客様に伝えたいこと、すべてがデザインだと考えている。
常に自分を更新するよう心がけている。「同じメディアに触れてばかりいると、狭い範囲でしか考えられなくなるので、色々な人に会って見聞を広めています」
多忙の日々のなか、久しく持たなかった筆を握り、家に入り切らない大きさの絵を描くことが、身近な目標だ。(ライター・米澤伸子)
※AERA 2022年11月7日号