湖池屋グローバルデザイン・デジタル推進室長
近藤圭(こんどう・けい)/1983年生まれ。千葉県出身。2006年キリンビール入社。マーケティング部で商品デザインを担当後、ブランド戦略部企画チーフを経て20年から現職。湖池屋全商品のデザインをディレクションしている(photo 写真映像部・加藤夏子)
湖池屋グローバルデザイン・デジタル推進室長 近藤圭(こんどう・けい)/1983年生まれ。千葉県出身。2006年キリンビール入社。マーケティング部で商品デザインを担当後、ブランド戦略部企画チーフを経て20年から現職。湖池屋全商品のデザインをディレクションしている(photo 写真映像部・加藤夏子)
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 全国各地のそれぞれの職場にいる、優れた技能やノウハウを持つ人が登場する連載「職場の神様」。様々な分野で活躍する人たちの神業と仕事の極意を紹介する。AERA 2022年11月7日号には湖池屋 グローバルデザイン・デジタル推進室長の近藤圭さんが登場した。

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「スーパーにずらり陳列されたスナック菓子の中で、お客様が手に取るまでの時間は1、2秒という世界。そこでは、デザインの強さが大事なんです」

 湖池屋は海外含め、年間で60以上の新商品を発売している。その全てのデザインを決定している。

 そのうちの一つ、ポテトチップスのり塩誕生60周年を記念した「KOIKEYA The のり塩/The 麹塩」は、日本食糧新聞社が主催する食品ヒット大賞「優秀ヒット賞」を受賞した。

 幼い頃から商品デザインに興味があった。美術大学でグラフィックデザインを専攻、卒業後は日用消費財の業界で生きてきた。「商品が世に出て、すぐにお客様の反応が見えることが楽しい」

 10人以上の部下とのチームで、社の売り上げに直結する責任を背負う。

 常に大事にしていることは「入り口と出口」だ。

 パッケージデザイナーに新商品の発注をする時、まずは必ず自分でお金を出して自社製品を買う。

 パッケージデザインを選ぶ瞬間の購入者の気持ちを理解するためだ。選ばれる「顔立ち」になっているかを想像し、そこから逆算してデザイナーに説明する言葉を選んでいく。

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