そしてもう一人はロッテの吉井理人監督だ。和歌山にある吉井監督の実家と私の実家は数百メートルの距離で、彼が箕島高校に進学する際、吉井の父親とともに私にあいさつに来たのが最初だった。あの時の15歳の青年が監督になるとは。私に憧れて、背番号21を近鉄、ヤクルト、メッツなどで背負ったと後から聞いた。そして今回も背番号「21」を背負うという。
2人から監督就任の際に連絡をもらった。監督に年齢は関係ないが、今の監督は年々進化するデータ分析力、選手個々の性格、特長を知った上で采配、起用をしなければならない。大変な仕事ではあるが、ぜひチームを活性化させてほしい。
球団が監督を代えるということは、やり方含めてその監督に新しい息吹をチームに与えてほしいと願うからである。球団が長年かけて築き上げた伝統というものは尊重しつつも、自分を信じて、思い切って変革を行ってもらいたい。結果が出なければ数年で解任されるのが監督という仕事。1年目から自分の色を出してもらいたい。西武とロッテが優勝争いをしてくれることを願っている。
東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝
※週刊朝日 2022年11月11日号