「演奏する時は腰回りと脚を意識していれば体幹がぶれない」と、ジムで鍛え抜いた筋肉は「マジで自慢です(笑)」。過去2回の参加者のプログラムを調べて、どの曲を弾いて通ったかを分析した。音楽事務所を立ち上げ、若手音楽家を支えたいとオーケストラを創設。ピアニストの枠に留まらない活動が注目された。
その彼がショパンコンクールで掴んだ銀メダル。それは「サムライ・ジャポンのソリタ」が世界の檜舞台に躍り出た瞬間だった。だが、それはゴールではなく、さらなる挑戦への「スタート」と考える。人生の最終目標と見据えるもの、その先にどんな未来が見えているのか──。(ノンフィクションライター・歌代幸子)
※AERA 2021年12月20日号