元朝日新聞記者 稲垣えみ子
元朝日新聞記者 稲垣えみ子

 元朝日新聞記者でアフロヘアーがトレードマークの稲垣えみ子さんが「AERA」で連載する「アフロ画報」をお届けします。50歳を過ぎ、思い切って早期退職。新たな生活へと飛び出した日々に起こる出来事から、人とのふれあい、思い出などをつづります。

【写真】稲垣家のベッドカバー。着物やひざ掛けをリメイクして作った

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 コロナで途絶えていた講演や出張が少しずつ復活してきた。先日は九州で1週間の出張取材という数年ぶりのプロジェクトが! おかげさまで人との出会いの楽しさ不思議さをありがたさを噛み締めてきたところであります。

 で、それはいいんだが。

 楽しい1週間は地獄の1週間でもあった。問題は、空調完備のビジネスホテルである。

 どうもね、スースーする。うすら寒くて夜中に何度も目が覚める。朝起きると喉(のど)がめちゃくちゃ痛い。暖房を強めたり、乾燥対策で風呂の湯を張ったままバスルームの戸を開けて寝たりと色々やったがほぼ効果なし。これほど我が家が恋しかったことはない。

 そうなんだよ。エアコンのない我が家の方がずっと暖かいじゃん! もちろん空気は冷たいよ。でも乾燥はしてないし、夜は暖かいパジャマを着て毛布を下に敷き、布団の上には重みのあるベッドカバーをして寝るので、今年はまだ湯たんぽなしでも実にぬっくぬくである。

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稲垣えみ子

稲垣えみ子

稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年生まれ。元朝日新聞記者。超節電生活。近著2冊『アフロえみ子の四季の食卓』(マガジンハウス)、『人生はどこでもドア リヨンの14日間』(東洋経済新報社)を刊行

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