もちろん、有識者会議で提示された2案目の、「旧皇族の男子を養子に迎える案」は、現実問題として難しいだろう。
だが女性皇族が残る案を実現させるのは、そう簡単なことではない。
女性を当主とする「女性宮家の創設」までゆかなくとも、女性皇族が皇室に残ることができるとなった場合、結婚相手を探すことに大変な努力を強いられる。
所功氏がこう話す。
「愛子さまが結婚後も皇室に残り、中から支えるのと外に出てから支えるのでは重みが異なります。しかし、課題が大きいのも現実です。仮に制度が整っても、女性皇族ご本人がそれを望むのかと言う問題があります。また、ご本人が皇室に残る道を選んだ場合は、結婚問題がさらに難しくなる。民間人になった眞子さんの相手ですら、過去の発言や家族のトラブルまで世間にさらされました」
ましてや結婚で民間の男性が皇室メンバーに迎えられるとなれば、そのお相手に対して、小室さんをはるかに超える関心が集まるのは必至だ。
「民間には、優れた女性も男性もたくさんいます。しかし、皇室に迎え入れられるためには、本人の資質と覚悟、親族のあり方も厳しく問われます。よほど入念な進め方が求められます」(所功氏)
平成当時の皇室を知る人によれば、皇居の清子さんからは、黒田慶樹さんと結婚するにあたり、相手がどういう方であるといった細かなことまで、自分たちから情報を提供することは、好ましくない、という意向を持っていたという。
清子さんが難色を示した背景には、「皇族という立場の自分と結婚してくれる相手なのだから、迷惑をかけたくない」という考えがあったようだ。
眞子さんも結婚の会見にあたり、小室さんをかばい続けた。
また自身の立場を思い、結婚を選択せずに独身のまま皇室を支える道を考えている皇族もいるとも言われている。
若い女性皇族にとって、「皇室」が将来を束縛する手段になる道は、国民も望まない。