重い空気が続いていた皇室にとって、愛子さま12月1日に20歳の成年を迎えたことは、ひさしぶりの明るいニュースだった。
愛子さまの成年から5日後の12月6日。このタイミングで、清家篤・元慶応義塾長を座長とする安定的な皇位継承のあり方を議論する政府の有識者会議のニュースが報道されたことで、さらに世間の関心は高まった。
会合では、皇族数の減少に対する対応策として、▽女性皇族が結婚後も皇室に残る案と、▽旧皇族の男系男子を養子に迎える案の2つを盛り込んだ最終的な報告書の骨子が了承されたからだ。
注目されたのは、「結婚後も皇室に残る」案のくだりだ。
女性宮家の第1号として期待を集めていた秋篠宮家の長女、小室眞子さんは結婚して皇室から出た。眞子さんが、最後に国民に発信する場となった10月末の結婚会見。自身の抱える苦しさや国民への共感を願い、言葉に紡いでいたことは、痛いほど伝わった。
本人の表情などから複雑性PTSDの影響が大きいことも見てとれた。一方で、「誤った情報が事実であるかのような印象を与えかねない質問である」と断定したうえで、「口頭で質問にお答えすることは不可能」と切り捨てたことで、皇室と国民との間にしこりを残す結果となったことも事実だった。
あの会見からおよそ一カ月を経て、愛子さまの成年の感想文が公表された。
<今日に至るまで私の歩みに関わってくださった全ての方に深く感謝いたします。そして、成長を見守り、温かい声をお寄せいただいている国民の皆様に、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。>
愛子さまが、周囲や国民に感謝を述べた感想は、好感を持って迎えられた。コロナ禍という世情に配慮して、ティアラを新調せずに黒田清子さんのティアラを借りた点や、ローブデコルテの刺繍を華やかな金糸ではなく白糸を選択した思慮深さも注目を集めた。
ご本人方が望まぬことだが、兄の天皇家と弟の秋篠宮家は、どうしても比較の対象になる。