「AIを使って、たとえば猫型ロボットを呼んでもあえて反応しなかったり、プイッとどこかに行ってしまったりするように行動させたとする。本物の猫ならかわいい『気まぐれ』と受け取られるでしょうが、ロボットだと不気味に感じられたり、故障と間違えられたりしてしまいます」(同)
今から約100年前、最初に「ロボット」という言葉が登場したのは、チェコの劇作家カレル・チャペックの戯曲の中だ。そこに描かれたロボットは、金属でできた硬いものではなく、やわらかい肌を持った「組み立て式人造人間」だったという。つまり、もともとの「ロボット」のコンセプトは、やわらかい動きをする人工生物だったのだ。新山講師は予言する。
「ここから5~10年のあいだのロボットは、猫の動きを部分的にまねるにとどまるでしょう。それらの技術を統合してAIを搭載し、猫そっくりの動きをする猫型ロボットは、早ければ20年後くらいに登場すると思います。『コンパニオンアニマル』ならぬ『コンパニオンロボット』が、大事な家族になる時代がくるかもしれません」
猫型ロボットと暮らす未来は、すぐそこまできている。(本誌・直木詩帆)
※週刊朝日 2021年12月31日号