テレワークの普及もあり、誰でも第二の収入源を持てる時代。社外でも通用する自分になりたい。「かつては何者でもなかった」有名人の話に貴重な“気づき”があった。AERA 2021年12月27日号は、経済評論家・勝間和代さんに聞いた。
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“主体的なキャリア形成”“自己実現の追求”“所得の増加”“将来の起業・転職準備”。2018年、副業解禁に動いた厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」 に挙げられた副業のメリットだ。在宅勤務が増え、以前よりダブルワークがしやすくなった人も多いが、大半が立ち止まる壁がある。
会社の外で、何をして稼げるのか。そもそも自分に市場価値はあるのだろうか。自分の市場価値を高めて「会社を出ても通用する人材」になるには、どうしたらいいか。そもそも副業で何をすればいいか。なんとなく考えることはあるが日々に忙殺され、二の足を踏んだままの人……そう、あなたに向けて識者からアドバイスをいただこう。
知的で効率的な生き方に関する数々のベストセラー本を出版し、ツイッターやユーチューブでも積極的な発言を続けている勝間和代さんに聞いた。
勝間さんもかつては会社員だった。外資系のコンサルタント会社などでキャリアを積みながらも、30代前半にはアマゾンで販売された英語のオーディオブックに関するアフィリエイトで小さなお金を稼いでいた。
「会社員時代は女性差別や長時間労働、理不尽な上司……今よりもっと“古い時代”ですので嫌なことだらけでした。メニエール病(激しいめまい、難聴、耳鳴り、耳閉感が重なる病気)になったことも。体に支障をきたすほど働いていたわけです」
抜け出すきっかけになったのは、勝間さんが27歳の頃につくったワーキングマザーのためのウェブサイト「ムギ畑」だ。
■自分と似た他人と交流
「子育てと仕事を両立する先輩方とウェブで交流してみたかったんです。そこで違う視点が見えました。みなさん、あっさり会社を辞めたり、働きながら大学院に行ったり、案外自由に生きていました。自分と同年代で、子どもも2~3人と、そんなに変わらない環境の人が自分の殻を破っているのを見て驚きました。もっと自由に暮らしていいんだ、と。自分の会社員人生、激務を続ければ50歳あたりで少しは偉くなっているかも、というプランが崩れ去りました」
ムギ畑には、夫を亡くし、子ども4人を連れてアメリカに留学した人もいた。