ユーザーから飽きられない要因は
アイデアを温存する「後出し戦略」
ボトルマンがユーザーに飽きられず、高い需要を維持できている理由は何なのか。
高坂氏の話をまとめると、その要因は大きく三つある。
一つ目は、「プラスチックごみを玩具として再利用する」という仕組みが、SDGs(持続可能な開発目標)や環境教育が重視される時代背景にマッチしたことだ。
ボトルマンで遊ぶことが「エコを学ぶ」ことにもつながるため、親が子どもに買い与えるハードルが低いほか、「飲料メーカーの協力も得やすかった」という。
実際にサントリーとコラボし、「C.C.レモン」「デカビタC」をモチーフにしたモデルを発売。ラインアップを充実させることに成功した。
二つ目は、コロナ禍によって「家での楽しい遊び」を求めていたユーザー心理に刺さったことだ。
「友達と遊んだり、外に出たりすることが難しい状況下でも、ボトルマンは身の回りのものを使って工夫すれば一人でも遊べます。(ビーダマンで使う)ビー玉は手に入りづらくなっていますが、ペットボトルはどこにでもあるので」と高坂氏は分析する。
そして最大の要因が、売れそうなアイデアや商品をあえて温存し、「後出し」していく戦略だ。
例えば、ボトルマンシリーズの発売から約1カ月後(20年11月末)に登場した「ワンダーグレープ」というモデル。この機体は、ボトルキャップを「縦」にセットして飛ばせるのが特徴だ。
「ふたを縦にすると、表と裏のわずかな重量差を利用して『曲がるショット』が撃てるんです。(曲がり方のくせをつかめば)狭いエリアをピンポイントで撃ち抜くことも可能です」と高坂氏は熱弁する。
この「縦回転モデル」も、高坂氏らが企画段階の研究で気付いた「ごみを宝物に変える」工夫の賜物だ。
その後も「合体」できるモデルを発売したほか、22年4月には機構を刷新し、ユーザーがパーツを組み替えて改造しやすくした新シリーズを世に出した。同月時点で、パーツの組み合わせは3000通り以上と豊富である。
「初代モデルもパーツの組み替えは可能でしたが、1台ごとのタイプの違いを知ってもらうために、あえてカスタマイズ性をアピールしませんでした。2代目はそこから一転し、『自分だけの愛機』を作れるように打ち出し方を変えました」