タカラトミーの玩具「キャップ革命ボトルマン」の販売が好調だ。年間10万個売れれば「ヒット商品」といわれる玩具業界で、発売から2年間で130万個を売り上げた。ロボットの腹部からペットボトルのふたを発射するアナログな玩具は、コロナ禍によって市場環境が変わりつつある令和の時代になぜヒットしたのか。仕掛け人に聞いた。(ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎)
「ボトルマン」ヒットの裏に逆転の発想
キャップはごみではなく宝物
「商品名の『革命』には、『ボトルキャップはごみではなく宝物になる』という意味を込めました」
タカラトミーで玩具「キャップ革命ボトルマン」(以下、ボトルマン)のマーケティングなどを手掛ける高坂遊太氏(名字の「高」は「はしごだか」、以下同)は、取材に対してこんな秘話を明かした。
ボトルマンは、手のひらサイズのロボットの腹部にペットボトルのキャップをはめ込み、ばねの力で勢いよく飛ばせるおもちゃだ。
遠くにペットボトルの的を置き、倒した本数や倒すまでの所要時間を競うなど、身近なものを使って遊べることから人気を獲得。2020年10月の発売から2年間で、実に130万個を売り上げた。
年間10万個売れれば「ヒット商品」といわれる玩具業界において、このペースでの売れ行きは異例だ。
新型コロナウイルス感染拡大に伴う「巣ごもり需要」で、ゲームやYouTubeなどを楽しむ子どもが増える中、「モノを飛ばす」という昔ながらのアナログ玩具はなぜ売れたのか。
その裏側には、高坂氏らのチームが試行錯誤を重ねる中で気付いた、ボトルキャップという「ごみ」に隠された魅力があった。
【次ページ以降】
・飲料によって威力が変わる?仕掛け人が気づいた「ボトルキャップの奥深さ」
・SNSのプロモーションで、子どもより「大人」を先に狙ったワケ
・ボトルマンがビーダマンの「復刻版ではない」?