漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「ねこ自慢」(BSTBS 水曜23:00~)をウォッチした。
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猫とはなんだ。ドラマ「三毛猫ホームズの推理」に出てくる猫は、マツコ・デラックスだった。ドラマ「きょうの猫村さん」の猫村さんは、おばさんのようなおじさんのような松重豊だった。
そしてドラマ「おじさまと猫」の猫は、なんかこう顔がぺったんこなロボットだ。猫はあらゆるモノに変化する。
抱き上げると、ぐて~んとなる。猫は液体だ。ふと気づくとフリーズして虚空を見つめている。猫は置物だ。
座布団の上で落語も語らず、居眠りを始めた。その寝入る姿を見るだけで、人はクスクスと笑い幸福な気持ちになる。猫は古今亭志ん生だ。
「ねこ自慢」という番組を見た。猫好きのタレントが、自慢の猫を飼っている飼い主の家や、保護猫カフェなどを訪問する。
その日のリポーターは、もはや芸人というよりひたすら猫を愛(め)でる人(風神と雷神という保護猫を飼っている)、サンシャイン池崎だ。
看板猫がいるというボクシングジムを訪ねた池崎。池崎といえばハイテンションな絶叫芸だが、「イエェェェ~イ!!」の「イ」の字も言わない。「空前絶後のォ」も「超絶怒濤(どとう)のォ」もお蔵入りで、終始目尻にシワを寄せ猫をながめるだけ。