この試合は、スペイン語の野球専門メディアでも取り上げられている。『アル・バット』は、試合内容を紹介するとともに、「アメリカ以外で生まれたMLBプレイヤーの中では歴史上最高の1人と言われるイチロー。そろそろ50歳を迎えるが、彼はアマチュアの試合でプレーすることを楽しんでいる」と、その様子を伝えている。

 イチロー氏は、その投球でも大きな反響を呼んだ。「ピッチングニンジャ」での愛称知られるアメリカの有名投手分析家、ロブ・フリードマン氏はイチロー氏の投球をまとめた動画をYouTubeやSNSで紹介し、「スポーツの歴史の中で最も偉大な打者の1人は、マウンドでも威圧的な存在だ」と大絶賛。この動画を見たファンからも、「(スライダーを見て)イチローは厄介なものを持っているな」や、「逆にこの男にできないことはなんなんだ?」といったコメントが寄せられていた。

 また、動画にはイチロー氏が打者に死球を当ててしまった場面も含まれていた。この試合でイチロー氏は、神野百花(福知山成美)に2回も死球を与えている。神野選手は、「イチローさんが投げた球だったので嬉しさのほうが大きかったです」と話していたが、アメリカの野球ファンも同じように考えているようで、「イチローからデッドボールを受けるなんて、光栄なことなんだ」や、「一生自慢ができる」といったものに加え、「自分も当てて欲しい!」と死球を羨む声も相次いだ。

 そして、イチロー氏が帽子を取って謝ったところを見たファンからは、「ああ言う形で謝罪をしたという事実は、彼がどれだけ素晴らしい人間であるかをよく表している」や、「(アメリカでも)当てた時は、全ての投手がすべきことだ」と、日米では違う習慣に驚きながらもその姿勢を賞賛。そして、「彼女らにとって人生で最高の日になっただろう。これは一生語られるべき出来事だ」と、アメリカでも、偉大なアスリートと試合を行った選手たちに向けられたコメントも見られた。

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