今年もノーベル賞が発表され、米プリンストン大の真鍋淑郎さんら受賞者が注目を集めている。一方で、日本国内にも若くして活躍する研究者たちがいる。AERA 2021年12月27日号で、その活躍ぶりを取り上げた。

SAKURA Tempestaリーダー 立崎乃衣さん(17)/渋谷教育学園幕張高校2年生。孫正義育英財団5期生。19年にノーベル平和賞受賞者マララ・ユスフザイ氏とSTEM分野で活躍する女性について対談(写真:本人提供)
SAKURA Tempestaリーダー 立崎乃衣さん(17)/渋谷教育学園幕張高校2年生。孫正義育英財団5期生。19年にノーベル平和賞受賞者マララ・ユスフザイ氏とSTEM分野で活躍する女性について対談(写真:本人提供)
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 さいたま市の高校2年生、立崎乃衣さん(17)が、初めてロボットを作ったのは小学3年生のころだった。「幼稚園のときに、将来、自動運転車を作りたいと思ったんです。その第一歩として、小さい車型のロボットを作りました。ただ自走させるだけではなく、自分で電子回路を組んで、マジックで描いた道路からはみ出さない、信号機を守る、障害物を感知して止まるといった機能を実装しました」

 3歳のころから“素材”に興味を示し、ばら売りのネジやナットを買ってもらった。遊びの中心は専ら立体工作や電子工作。工事現場の重機が好きで、よく動きを観察していた。「実物を見たり触れたりしながら、ロボット製作に必要な物理学的な知識を学んでいきました」

 2017年に国際ロボットコンテストに挑戦するチーム「SAKURA Tempesta」に所属。最年少で設計を担当し、世界大会出場を果たした。いまはチームリーダーとして、設計・製作のほか、資金調達や社会貢献活動にも取り組む。昨年はフェースシールドの製作・寄付を行う団体「Face Shield Japan」を設立。コロナ禍で奮闘する病院を中心に2千個以上を寄付した。

「3Dプリンターでフェースシールドが作れることを知り、それなら自分にもできると思ったんです。それから1日で寄付を募るサイトを作って、ロボコンチームにも協力してもらいながら製作を始めました」

 当初は米国企業が無料配布している設計データを用いたが、フレームを一つ作るのに2時間半ほどかかった。注文が殺到し、量産するため「夜も2時間半ごとに起きてプリンターを再スタートする作業を繰り返すのが大変だった(笑)」と話す。

「大きさも日本人には合っていないと感じたので、寄付先にアンケートして改善点を洗い出しました。その後、自分で設計し直して、最終的に1日に24個生産できるようになりました」

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