
「主に革靴関係の製造をしている秋田県の企業で、私が担っているのは自社オリジナル革製品ブランドの公式インスタグラム運用です。本業と共通する仕事で、所在地が東北、もともと知っていたブランドだったことが選択の決め手となりました」
そう語る島崎さんが任されたのは、毎週月曜までに翌1週間分のインスタグラム投稿画像とテキストの企画・作成をする業務だ。投稿画像に使う写真素材も、自宅などで撮影している。
■本業にもシナジー効果
「本業は平日9~18時の週5日勤務で、副業は主に土日や休日にしています。それぞれに集中でき、どちらもおろそかにならないようスケジュールを組めるのはうれしいです」(同)
副業で、コンテンツの企画・制作の経験値が今まで以上に蓄積され、本業にもシナジー(相乗効果)が及んでいるようだ。
「コロナ禍以前の生活に少しずつ戻り、友人や家族との用事が休日に入ることも増えました。でも、日曜の外出のために土曜は仕事をがんばるなどといったメリハリをつけることで、自分自身の時間の使い方にもプラスにつながっています」(同)

大阪在住の安倍直希さん(33)も、コロナ禍でリモート勤務になったことが副業の動機づけとなった。インフラ系企業の経営企画部で事業戦略策定などに携わり、仕事自体には満足していたが、往復3時間の通勤から解放された。安倍さんが言う。
「浮いた時間の有効活用を考え、大学での学び直しも検討しましたが、机上よりも実践のほうがより役立つと思いました。そこで、地元にある会社から、今までのキャリアを生かせる異業種の副業先を探しました」
■異業種で新たな学び
安倍さんが利用したのも「ふるさと副業」。マッチングしたのは大阪府寝屋川市の朝日熱処理工業だった。社名にもなっている通り、様々な精密機械部品の強度や耐久性を高める金属熱処理を専門に手掛けている。
「私が任されたのは、新規事業の立ち上げをゼロベースからサポートすることです。社内の人間だけで考えると枠にとらわれがちなので、外部からもアイデアを募るのが狙いです。募集要項に興味を抱いた人が複数参加して、企業側とウェブでディスカッションを行う場が最初に設けられました。その場で口にしたアイデアを面白がっていただいたようです」(安倍さん)