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北後教授は、古いビルを中心に、今の基準では安全とはいえない「既存不適格建築」と呼ばれながら改修を義務づける仕組みがなく、存在し続けているのが現状だと指摘。その上で対策を急ぐ必要があると訴える。
「法令上問題がないから、建物が安全であるという意味ではありません。法律の見直しも含め、ビルは原則、2方向避難できるよう抜本的な対策を検討するべきです。『既存不適格』とされる建物については、改修に補助金を出して非常階段を作るなど、安全性の向上に向けた公的支援による関与も不可欠です」
悲劇を教訓に、ソフトとハード、両面で対策を積み重ねなければならない。(編集部・野村昌二)
※AERA 2022年1月3日号-1月10日合併号より抜粋
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