池田正史
■長期間預けると金利の恩恵が大
とはいえ深野さんは、海外出張や旅行先での買い物や海外資産の購入といった現地通貨建ての用途を考えている人は、外貨預金の利用価値が大いにあるという。
「例えば買い物などの際に、1枚のカードで円や米ドル、ユーロなど11通貨について現地通貨建てでそのまま銀行口座から引き落としができるソニー銀行のデビットカード『ソニーバンク・ウォレット』は便利。利用額に応じてマイルがたまったりキャッシュバックが受けられたりするものもあります」（同）
前出のSBI新生銀の担当者はこう強調する。
「物価高（インフレ）や経済成長の鈍化を背景に、円の価値が下がることへの不安から外貨建ての資産を持ち、リスクを分散したいと考えるお客様は増えています。長い期間、預けてもらえれば目先の為替変動に一喜一憂せずに、日本円ではなかなか難しい高い金利のメリットが十分に受けられる。時間的な投資リスクを分散するために毎月一定額ずつ積み立てるタイプの商品も用意しています」
自身の資産の状況や投資の目的といった事情を踏まえて利用するべきなのは、どの金融商品も同じだ。為替相場の方向感が定まらない今のような状況では、なおさら慎重に吟味したい。（本誌・池田正史）
※週刊朝日 2023年2月3日号
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