境内には鹿が傷を癒やしたと言われる鉱泉(鹿の湯)の跡がある。都心からは離れているが、東京とは思えない緑に囲まれた大仏様の姿や景色に、心洗われる思いがするはずだ。
仏像をはじめ国内外の仏教美術に詳しい駒澤大学の村松哲文教授は言う。
「伝統や歴史を物語る文化遺産として、また、信仰の対象や思想を形づくるものとして、大仏は大事な存在です。時代は変わっても、そうした心のよりどころを求める気持ちはこれからも変わらないでしょう」
久々の旅で、身近な大仏に思いを馳せてみてはどうか。(本誌・池田正史)
※週刊朝日 2022年10月28日号より抜粋