週刊朝日 2022年10月28日号より
週刊朝日 2022年10月28日号より

「きっかけは、友人に勧められて見に行った牛久大仏に圧倒されたことです。『日本にこんなものがあったのか』と思い、調べてみると、ほかにもたくさんある。そこで全国の大仏を巡るようになり、建てるまでの苦労や歳月を知ったり、仏像を守る人たちと出会ったりしているうちに、どんどんハマっていきました」

 特に、屋外に安置された露座の大仏が魅力的だという。

「日の光の当たり方や遠景となる周囲の自然など、天候や季節によって毎回違った姿に出会うことができます。また、巨大な大仏の中には、内部(胎内)を拝観できるものもあり、独特の空間や構造、高い視点からの眺望が味わえます」(半田さん)

東京湾を望む高台に立つ「東京湾観音」(半田カメラさん撮影)
東京湾を望む高台に立つ「東京湾観音」(半田カメラさん撮影)

 そんな半田さんに、おすすめの大仏を挙げてもらった。地元に近いのに、意外と知らないものもあるのではないか。半田さんが「イチ推し」に挙げたのは、千葉県富津市の「東京湾観音」、仙台市にある大観密寺の「仙台大観音」、奈良県高取町の壷阪寺(つぼざかでら)の「天竺渡来大釈迦如来石像」だ。

 東京湾観音はその名のとおり、東京湾を望む高台に立つ高さ56メートルの観音立像だ。材木商を営んだ故・宇佐美政衛氏が1961年、戦死者の慰霊と世界平和を祈って建てた。

「にっこりほほ笑む優しい笑顔が印象的ですが、胎内の構造も、とにかくすごい。らせん階段をぐるぐる上っていくと、途中で横穴から観音様の腕の上にある屋外展望台に出られたり、鼻の穴や耳の穴から外をのぞけたりと、迷路のようです」(同)

 仙台大観音の魅力は、住宅地の中に突然、日本で2番目に高い100メートルの観音像が現れる点だという。

「近づいていくと、迫力のある観音像が迫ってくるようで、特撮のような非現実感があります。胎内も高さ60メートルの吹き抜け空間があり、美しい照明や胎内仏ももうけられていて幻想的」(同)

 壷阪寺は、台座を含めた高さ15メートルの天竺渡来大釈迦如来石像(座像)をはじめ、20メートルの「天竺渡来大観音石像」(立像)、「天竺渡来大涅槃(ねはん)石像」(涅槃像)といった大仏が、広い境内で一度に巡れる。

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