エリザベス女王の国葬前日に撮影された「ファブ・フォー」の写真 Buckingham Palace/Backgrid UK/アフロ
エリザベス女王の国葬前日に撮影された「ファブ・フォー」の写真 Buckingham Palace/Backgrid UK/アフロ

 英国の新しい国王にチャールズ3世が即位した。世界から愛されたエリザベス女王に比べて評判は高くないが、カミラ王妃の支えとウィリアム皇太子の人気にもあやかり、まずまずのスタートを切った。そんな状況に、王室を離脱したはずのハリー王子とメーガン妃がライバル心を燃え上がらせているようで……。

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 エリザベス女王の国葬が終わった数日後、英王室のインスタグラムに載ったチャールズ3世(73)の写真に、思わぬ注目が集まった。新国王としての最初の一枚なら、正面を見据えた威厳あるものと予想されたが、単に働く姿だったからだ。

 写真には、新国王がバッキンガム宮殿の執務室で、左手を赤い箱に伸ばす姿が写っていた。箱は英国と英連邦に関する重要書類を収めた「レッドボックス」と呼ばれるもので、クリスマス以外は毎日、君主の滞在先に届けられる。彼の視線はこの箱に向けられ、右手にはペンを握っていた。

 ペンといえば9月13日、北アイルランドを訪問した際に万年筆のインクが漏れ、報道陣の前で国王らしからぬいら立ちの言葉を発した。カミラ王妃(75)の落ち着いた取りなしで、何とかその場は収まった。

 従って国民には堂々とペンをとり、書類に目を通し、署名をする姿を見せる必要があったのだろう。実際、この「ワーキング・キング」の姿は安心感と信頼感を呼んだ。

 次の写真は、国葬前夜に開かれた新国王主催のレセプション直前に、バッキンガム宮殿の廊下で撮影された。

 新国王夫妻とウィリアム皇太子(40)にキャサリン皇太子妃(40)の4人が、それぞれ喪服に身を包んでいる。王妃は満面の笑みを浮かべ、皇太子は父にいくぶん顔を寄せている。皇太子妃は完璧な立ち姿。すぐに「ファブ・フォー(素敵な4人)」と称賛された。

 だが、それ以上に目を引いたのは、5人目の人物だった。それは、後ろの壁にかかる肖像画のジョージ3世。4人の誰にも重ならないよう注意深く中央の位置を占めた。

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多賀幹子

多賀幹子

お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京都生まれ。企業広報誌の編集長を経てジャーナリストに。女性、教育、王室などをテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演、講演活動などを行う。著書に『英国女王が伝授する70歳からの品格』『親たちの暴走』など

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