漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」シーズン2(NHK総合 全3話[第4~6話]で第6話が10月4日[火]22:00~)をウォッチした。
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警察犬オリバーは、相棒の警察官・青葉一平(池松壮亮)にだけ、着ぐるみのおっさん(オダギリジョー)に見える。
帰ってきました、オダジョーことオダギリジョー脚本・演出・編集の闇鍋(?)ドラマが。今までオダジョーと仕事した人が全部出てる?ってくらいの豪華キャストが次から次へと顔を出す。
そしてそれぞれのキャラクターは、オダジョーきっとこの人のこんな演技が好きなんだろうなという趣味がダダ漏れで、むしろそこが見どころだ。
例えば前作に登場した松重豊は、おもむろに「孤独のグルメ」調(NHKだけどおかまいなし)の食レポを始めるコワモテヤクザの若頭。
佐藤浩市はリヤカー引いて各地を行脚する、どこかで見たことあるスーパーボランティア。
ホームレスの柄本明は「押忍が押忍して押忍だろ?」と、押忍しか言わないし、麻生久美子は「時効警察」ばりにボケ倒し、松たか子は角川武蔵野ミュージアムでシブがき隊ソングを歌い上げる。
カオスに次ぐカオスで展開は行方不明。しかし恐るべしオダジョー、彼は前回のラストにとんでもない力業を発揮した。オチなかったら踊ればいいじゃないの必殺「ダンスオチ」だ。
ヤクザも半グレも警察もみんなそろってレッツダンス。踊ればだいたい何事も収束する気がする。ここはインドか。
オダジョー自身も言ってたから。「ストーリーを追ってもどうしようもないドラマ。そんなたいしたこと書いてないですから」ですって。
いちいちいかしたロケ地を背景に繰り広げられるシュールでエロでアバンギャルドで、どこか懐かしさもある物語。こだわりのアングルと、コマ割りのような分割画面。