今回、話を聞いているときも、自分の生き方についてこう語った。
「スケートをやっていて、何かしら感情を表現して、苦しくて、つらくて。それがないと、やっぱり生きている心地がない」
今は、スケートを磨きながら、プロとして披露するショーの内容について試行錯誤を重ねている様子だ。
「今は、目の前のことでいっぱいいっぱい。一番詰まっていて大変です。練習もしなきゃいけないし、仕事もしなきゃいけない。それがまた幸せって思えます」
いつか彼にも、友人と長く語り合ったり、好きなことを楽しむ時間を設けたりするときがきてほしいと思っていた。だがそれは、まだ先のことなのかもしれない。(朝日新聞スポーツ部・後藤太輔)
※AERA 2022年10月10-17日合併号