エンゼルス・大谷翔平が「二刀流」で大リーグ史上初の快挙を達成した。プロフェッショナルとして活躍し続ける理由を昨年の成績を交え解説する。AERA2022年10月10-17日合併号の記事を紹介する。
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大リーグ・エンゼルスの大谷翔平(28)がまたも大記録を打ち立てた。9月27日のアスレチックス戦に「3番・指名打者(DH)」でスタメン出場し、初回に左中間二塁打を放って今季150安打に到達。投手として150投球回(153)、150奪三振(203)を超えており、1900年以降で大リーグ史上初の「トリプル150」を達成した。チームは10月1日、大谷と1年3千万ドル(約43億5千万円)で来季契約に合意したと発表した。
10月2日現在で、打撃では打率2割7分5厘、34本塁打、94打点、11盗塁。昨年の46本塁打、100打点、26盗塁には及ばないが、相手バッテリーのマークが厳しくなるなかで十分に合格点をつけられる。
特に昨年は失速した後半戦で、上昇気流に乗る。8月の月間成績は28試合出場で打率3割1分7厘、8本塁打、20打点、9月も23試合出場で打率2割9分5厘、4本塁打、11打点。10月2日のレンジャーズ戦で一回に中前安打を放ち、自己最多を更新する17試合連続安打を記録した。
米国駐在の通信員はこう語る。
「2年連続40本塁打は厳しくても、2年連続100打点は十分に可能性があります。昨季は引っ張りの打球が多い傾向でしたが、今季は逆方向にも安打を打っている。甘い球がなかなか来ないなかで、うまく対応していると思います。修正能力の高さも成長が垣間見えます」
投球はさらにすばらしい数字を残している。27試合登板で15勝8敗、防御率2.35。161イニングを投げて213奪三振と大リーグ屈指の奪三振能力を誇る。規定投球回数の162まで残り1イニング。今季は10月5日の最終戦に登板予定で、クリアは間違いない状況だ。