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(c)Photo 2021 : Laurent CHAMPOUSSIN - LES FILMS DU KIOSQUE

■渡辺祥子(映画評論家)

評価:★★★★

行く者、送る者、そこに生じる感情をクールに繊細に描きながら出てくる答えは大切な生をいかに生きるかということ。息子可愛さに身勝手になる母の哀れ。人間味豊かな理想の医師を、本物の医師が演じていることに驚く。

■大場正明(映画評論家)

評価:★★★★

マジメルの繊細な演技、医学を超えた哲学や信念を持つ医師サラの存在感や説得力のある言葉の数々、病気や治療の生々しい現実ではなく、人物の感情を掘り下げることに徹する監督の美学が見事に融合し心を揺さぶられる。

■LiLiCo(映画コメンテーター)

評価:★★★★

なぜでしょう。とても淡々と描かれているけど、ドヌーヴ演じる母親と今まで会えてなかった家族がいて、ちょっぴりミステリアスにも感じた。伝える言葉も当たり前の五つだけど私の涙腺が故障したのか、涙が止まりません。

■わたなべりんたろう(映画ライター)

評価:★★★★

この監督の作品には力強さがあるが、生と死を扱うことでその力強さがより増していて見応え存分。特に舞台のシークエンスで真実が露わになる箇所は、演技の力強さも相まって素晴らしい。マジメルの代表作だろう。

(構成/長沢明[+code])

週刊朝日  2022年10月7日号