ある研究報告によれば、各年代の男女の頭蓋骨をMRIで撮影してみたところ、年齢が上がるほど頭蓋骨が下に向かって崩れてしまっているとのこと。同時に、眼窩(目が位置する穴のこと)も年齢とともに広がっていく傾向にあるそうです。
原因は、年齢による骨密度の低下。つまり、私たちの年齢による変化は、肌だけではなく、その下にある骨でも、確実に起こっていたのです。
なかなかショッキングな事実ですが、こうした現象を少しでも防ぐためには、骨密度を保つ栄養成分を、毎日の食事からしっかりとることがとても重要です。
「顔の骨の骨粗鬆症」を防ぐ食材とは
骨といえばカルシウムが有名ですが、それだけでは不十分です。葉酸、ビタミンK、たんぱく質なども必要で、中でも特に注意していただきたいのが、カルシウムの吸収を助けるビタミンDです。
しかし、ビタミンDは入っている食品が限られており、なかなかとりづらい栄養素であるため、多くの日本人が不足しているといわれています。
そこで私が皆さんにおすすめしているのが、魚料理です。
ビタミンDは卵黄やきのこなどにも入っていますが、なんといっても魚に豊富です。
成人男女のビタミンDの1日の推奨摂取量は8.5マイクログラムですが、たとえば、さけ1切れ(焼き魚)で39マイクログラム、真がれい1切れ(焼き魚)で27マイクログラム、さんま1尾(焼き魚)で17マイクログラムもとれます。
しかも魚には骨を作るときに必要なたんぱく質もしっかり含まれているので、骨の健康を保つために必要な栄養成分が効率良くとれる食材といえるでしょう。
クリニックで栄養指導をしていると、骨粗鬆症になられている方の中には、魚があまり好きではない人が多いような印象があります。魚は調理が面倒、匂いが気になる、骨がわずらわしいなどの理由で、肉料理ばかり好む方が多い気がします。