メイン画像
メイン画像
この記事の写真をすべて見る

台風11号が「非常に強い」勢力で、日本の南海上を西へ進んでいます。今回の台風は、大東島地方を直撃後、沖縄付近の海域にとどまり、その後も迷走する恐れがあります。

異例尽くしだった2016年台風10号

非常に強い台風11号が日本の南の海上を西へ進んでいます。ゆっくりと沖縄に近づき、その後「迷走」する恐れがあります。

台風は自力で動くことができず、周りの風によって押し流されるように進みます。一般的に夏の台風は、偏西風がまだ日本付近まで南下していないために、上空は風が比較的弱くなっています。このため、台風は偏西風の流れに乗ることができず、複雑な経路をとることがあります。

複雑な動きをする台風は「迷走台風」と呼ばれます。
近年で、迷走台風で大きな被害を及ぼしたものに、2016年の台風10号があります。この台風は日本の南海上で発生した後に、一度沖縄の南海上まで南下しましたが、またUターンして北上するという異例な経路をたどりました。ちょうど6年前の今日、2016年8月30日に台風10号が岩手県大船渡市付近に上陸しました。東北の太平洋側に上陸するのは、1951年に統計をとり始めて以来、初めてのことです。
また、発生してから消滅するまでが、11日と3時間となり、寿命が比較的長い長寿台風となりました。

この台風によって、岩手県岩泉町の高齢者グループホームが濁流に巻き込まれるなど、普段はあまり大雨の降らない東北北部や北海道の一部地域で大きな豪雨被害が発生しました。

2022年台風11号予想進路

画像B
画像B

きょう30日(火)正午、日本の南を「非常に強い」台風11号が時速35キロで西へ進んでいます。中心の気圧は950hPa、中心付近の最大風速は45m/s、最大瞬間風速は65m/sです。

あす31日(水)朝には、「非常に強い」勢力を保ったまま、大東島地方にかなり接近する見込みです。
その後、沖縄本島地方に接近し、4日(日)頃にかけて、沖縄近海にとどまる恐れがあります。
勢力も衰えず、4日(日)午前9時の時点で、沖縄本島近海で「非常に強い」勢力を維持し、中心気圧は925hPaの予想です。

沖縄近海に「非常に強い」のまま長く停滞するため、沖縄地方では暴風や大雨など影響が長時間続く恐れがあります。
大東島地方では今夜から、沖縄地方ではあす31日夜には暴風が吹き荒れる恐れがあります。不要不急の外出はなるべく控えてください。

予報円が大きくなっているために、沖縄に接近後の進路がまだはっきりしません。九州などに北上の恐れがあり、本州でも油断ができません。情報をこまめに入手して、安全にお過ごしください。

大雨の備え

画像C
画像C

大雨が予想される場合、災害による被害を少しでも小さくしたいものです。そのために、あらかじめ備えておいていただきたいことは、次の3つです。

①避難場所や避難経路の確認をしておきましょう。いざ大雨による災害が発生すると、避難経路が通れなかったり、避難場所に行けなくなったりすることもあります。複数の避難場所や避難経路を確認しておくことが大切です。また、川や斜面の近くは通らないようにするなど、浸水や土砂災害の危険性が高い場所を避難経路に選ぶのは、避けてください。確認した避難場所や避難経路の情報は、家族で共有しておきましょう。

②非常用品の準備をしておきましょう。非常用の持ち出し品は、リュックなど両手が使えるものに入れて、すぐに持ち出せる所においてください。避難時に履く靴は、スニーカーなど、底が厚く、歩きやすい靴を用意するのが安全です。また、水道や電気など、ライフラインが止まった時に備えて、水や食料も用意してください。

③側溝などの掃除をして、水はけを良くしておきましょう。砂利や落ち葉、ゴミなどが詰まっていないかも、確認しておいてください。

いずれも、大雨になる前に、なるべく早い段階で備えるよう、心がけてください。