9月6日にイギリスの新首相を任命した2日後に亡くなったエリザベス女王。2021年7月、ロイヤル・ウィンザー・ホース・ショーでの出で立ちを、ファッションデザイナーのドン小西さんがチェックした。
* * *
同じ欧州でも、女性の服の特徴はそれぞれあってね。フランスはオートクチュールに代表されるように、一枚の布からシルエットを見せる服。一方、イギリスは仕立てや素材にこだわるテーラードが基本で、デザインはいたってオーソドックスなんだよね。
で、ツバの大きいカチッとした帽子や服をワントーンにして、そこにピンクだグリーンだと、とにかく派手な色を使うのが、イギリス王室の定番だよ。そして、その代表として、これぞ英国王室ファッションと、誰よりも世の中にアピールしたのがエリザベス女王だったんだよね。
ファッションというより、アイデンティティーみたいなもの。どれだけお年を召しても、人前に出る以上、女王の役目を果たそうという気持ち、そのものだったんだろうな。その証拠に、いくつになっても、この手のファッションで手を振るだけで、世界中が温かい気持ちになったもの。そんな存在を96年続けてきた女王さま。長い間、おつかれさまでした。
■評価は……?(※満点は5DONです)
5DON! 「そのお気持ちをたたえつつ」
(構成/福光恵)
※週刊朝日 2022年9月23・30日合併号