ヤクルト1000にはどんな効果があるのか、同社に問い合わせると、こんな答えが返ってきた。

「1ミリリットルあたり10億個という、高密度な『乳酸菌 シロタ株』が神経系に穏やかに作用することで、一時的な精神的ストレスがかかる状況での『ストレス緩和』『睡眠の質向上』をもたらすのではないかとこれまでの研究で考えられています。ただし、まだ詳細が解明されていないため、研究を重ねているところです」

 世界と比べて日本人の睡眠時間は短く、経済協力開発機構(OECD)が21年に発表した統計によると、1日あたりの日本人の睡眠時間は平均7時間22分だ。調査対象となった33カ国の中では最短で、OECD加盟国の中で最長のアメリカより89分も短い。

 寝具メーカーの西川が昨年7月に1万人を対象にウェブを通じて調査したところ、全体の49.9%が「不眠症の疑いが高い」という結果に。特に20代、30代ではその数値が6割に達している。

 働き盛りの世代は、前日に夜遅くまで仕事をし、翌日は眠くて仕事に集中できない人も多いだろう。西川では昼間に短時間の仮眠をとる「パワーナップ」を推奨しており、昼寝専用の枕「konemuri(コネムリ)」シリーズの新作をこの4月に売り出した。

 実際に記者がこの枕を試してみると、サラサラとした肌触りのクッションがちょうど良い高さで頭を支える。中央にドーナツ状の穴が開いているので圧迫感がなく、何もない腕枕での仮眠とは比較にならない寝心地だ。

 同社マーケティング戦略部広報担当の森優奈さんはこう話す。

「お昼寝専用の枕として、座った状態でも首から頭を支えられるような形状をしており、使われた方からは腕やおなかの痛みが軽減されたという声もあります。テレワーク中に自宅で使われる方も多く、ついベッドで横になって熟睡してしまう方も、この商品を使えば短時間の仮眠でリラックスできます」

 西川によると、睡眠についてお金を「使っても良い」と思う人の割合は40%と、前年の35%から上昇している。

 年々拡大する睡眠市場に最新技術で参入したベンチャー企業もある。

 33万部超のベストセラーとなった『スタンフォード式 最高の睡眠』の著者で、米スタンフォード大学医学部精神科の西野精治教授が創業したブレインスリープ社だ。代表取締役の道端孝助氏は、同社の売れ筋商品の枕である「ブレインスリープ ピロー」について、こう説明する。

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