■渡辺祥子(映画評論家)
評価:★★★★
普通と違って生まれた子を、亡き我が子の代わりに愛する夫婦。しかし子を奪われた母羊は? 愛のドラマを不気味な執着心と冷えた不穏な空気にくるんで差し出すミステリー劇、いえホラー? この結末だと続きができそう。
■大場正明(映画評論家)
評価:★★★
非現実的な存在の謎は脇に置き、それをすんなり受け入れてしまう夫婦の心理を掘り下げる展開に、戸惑いながらも引き込まれる。抑制された演出で、辺境の隔絶された生活、喪失の痛みや強烈なエゴを巧みに描き出している。
■LiLiCo(映画コメンテーター)
評価:★★★★
今年の衝撃的展開ナンバーワン。冒頭はほぼ台詞がないのでハテナの時間が続くが、そこから! 読み取り方は様々ですが、私が合っていればすべてが腑に落ちる。そしてもっと怖くなる。誰かと話したい。だから早く観て!
■わたなべりんたろう(映画ライター)
評価:★★★
プロダクションデザインや撮影の構図などクオリティーの高さは傑出。少ない出演者と限られた場所でのミニマムさに非現実さを混入させて、感情に揺さぶりをかける展開に見入る。結末の解釈で評価が分かれるだろう。
(構成/長沢明[+code])
※週刊朝日 2022年9月16日号