作家・画家の大宮エリーさんの連載「東大ふたり同窓会」。東大卒を隠して生きてきたという大宮さんが、同窓生と語り合い、東大ってなんぼのもんかと考えます。5人目のゲスト、研究者で実業家の成田悠輔さんと国産ウイスキーと東大問題の関連を語ります。
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成田:大宮さんの事務所、お酒すごいありますね。
大宮:あ、見ちゃいました? ホッピーとかウイスキー、隠してあったのに。成田さんはお酒飲む人ですか。
成田:四六時中飲んでますね。大宮さんは酒のトラブルはないですか?
大宮:全盛期は酔って、楽しくなって、パスタを手に巻きつけて食べていたようです。
成田:新しい日本文化ですね。
大宮:いやー恥ずかしいです。
成田:なんか、手で食べてる人見ると幸せな気持ちになりませんか。僕、インド人が手でカレー食べてるの見るとすごい幸せになる。
大宮:なんで? しかも、すごい混ぜてますよね?
成田:グッチャグチャに。ものはきれいに食べなくちゃいけないっていう既成概念を全面から壊してくる。お酒の話では、日本のウイスキーは世界で旋風を巻き起こしてますね。
大宮:味は変わらないのにびっくり。
成田:でも、日本のお酒でバブルを作り出せたのは初めてじゃないかな。日本のお酒は安売りしすぎですから。
大宮:焼酎、日本酒は蔵元の人が手間をかけて、それで1200円とかで。大丈夫?って思います。
成田:それ、実は東大問題とかかわっている気がしてます。
大宮:えっ!?
成田:要は、東大もすごく安売りしてる気がして。ブランドをビジネスモデルにすることに失敗してきた大学って感じがするんですよね。東大って日本社会で謎なブランド力がありますよね。例えば「東大王」みたいなクイズ番組があったり、東大ブランドを使っていろんな人がビジネスしてるけど、東大には一銭も入ってないんですよ。これは東大の戦略の失敗なんじゃないか、と。
大宮:成田さんは、(進学先が)東大じゃなくてもよかった?
成田:東大に行くと、東大はなんてことはない空っぽの場所だってことがわかるっていうのはありますよね。
大宮:うんうん。