photo(c)2019 SAINT FRANCES LLC ALL RIGHTS RESERVED
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 女性が社会から受けるプレッシャーにはとてつもないものがあります。結婚するかしないか、子どもを持つか持たないか。かといって男性を悪者にしたくはありませんでした。女性同士にも違う視点があり、ときに対立が生まれます。劇中でレズビアンカップルの女性が屋外で授乳をし、他の母親にとがめられるシーンはその象徴です。

こんな描かれ方はなかった!と驚きをもたらす本作。「これまでは女性が権限を持たず、主導しない作品が多かった。これからは違う」とケリーの言葉は頼もしい。次回作では脚本・共同監督を務めるそう。中絶についてもその機会を維持しようと活動する団体をサポートし、闘い続けるという/photo(c)2019 SAINT FRANCES LLC ALL RIGHTS RESERVED
こんな描かれ方はなかった!と驚きをもたらす本作。「これまでは女性が権限を持たず、主導しない作品が多かった。これからは違う」とケリーの言葉は頼もしい。次回作では脚本・共同監督を務めるそう。中絶についてもその機会を維持しようと活動する団体をサポートし、闘い続けるという/photo(c)2019 SAINT FRANCES LLC ALL RIGHTS RESERVED

 正直、この映画がここまで多くの人に受け入れられるとは思っていませんでした。私はアーカンソー州の出身。先に米連邦最高裁が人工妊娠中絶を合憲とした1973年の「ロー対ウェイド」判決を覆したことで中絶が禁止になった土地です。母から「あなた、誰にも撃たれないといいけど」と言われました(笑)。でも多くの人が「似た経験をした」と賛同してくれた。人生で最大のうれしい驚きでした。

 この映画が、たとえ自分が経験していないことにも心を寄せ、想像力を働かせるきっかけになってくれたらと思います。自分の体に関して自分がする選択に「恥」を感じることはないのです。(取材/文・中村千晶)

ケリー・オサリヴァン(脚本・主演)Kelly O'Sullivan/1984年、米アーカンソー生まれ。俳優として活動しながら本作の脚本を執筆。監督は私生活のパートナーでもあるアレックス・トンプソン。全国で公開中/photo(c)2019 SAINT FRANCES LLC ALL RIGHTS RESERVED
ケリー・オサリヴァン(脚本・主演)Kelly O'Sullivan/1984年、米アーカンソー生まれ。俳優として活動しながら本作の脚本を執筆。監督は私生活のパートナーでもあるアレックス・トンプソン。全国で公開中/photo(c)2019 SAINT FRANCES LLC ALL RIGHTS RESERVED


AERA 2022年9月5日号

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