もう一つは働き方において、徹夜してでも……という「ギリギリの世代」だったということです。ワーク・ライフ・バランスをきちんと考えるようになったいまの20代・30代は将来、より良い健康寿命を得られるのではないかと思いますし、そのバランスを保ちつつ働き続けていけるようにすることが、企業の責任だとも思います。
私の倍ほどの年齢でお元気な方もまだおられるので、「老い」を語るには私などまだ若造です。「本当の老い」についてはまだ何もわかってないでしょう。
ただ、30、40代のころと比べても、スポーツをした後や、睡眠を削らざるを得ない状況になった後などには、疲れが「2日後に」ドッと出たりします。
気づけば、お酒をがぶ飲みしても楽しいと思わない年齢に、自然となっています。加齢に「無理に逆らう」努力をしたいとは私は思いません。年相応に、自然体で、これからもいられればと思っています。
竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
※AERA 2022年9月5日号