熱気ムンムンの会場内(撮影・コミックマーケット準備会)
熱気ムンムンの会場内(撮影・コミックマーケット準備会)
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 新型コロナの第7波に襲われ、台風8号の直撃も予想されていた8月13日、東京・有明の東京ビッグサイトで「コミックマーケット(通称・コミケ)」が3年ぶりに開催され、初日だけで来場上限に近い8万5千人が訪れた。今回、節目の100回を迎えたコミケが、これだけの人を引き付ける魅力とは何なのか?

【コミケ名物】誰のコスプレ?

 りんかい線国際展示場駅からビッグサイトまでの約500メートルに傘の行列ができていた。コロナ禍、しかも悪天候でこれだけの人数を集めたイベント。それがコミケだ。並んでいた20代男性は滋賀県から参加したという。

「100回目だからというより、夏コミ(夏に開催されるコミケ)は3年ぶりだから。僕自身も3年ぶりの来場です。ネットでは買えない新刊がコミケ限定で販売される。今日はどうしてもそれをゲットしたい」

 男性の手にはビッグサイト内の見取り図があり、そこにはひいきのサークルが出店しているブースの場所が蛍光ペンで数カ所、マークされていた。

 千葉県から来たという雨がっぱ姿の40代男性は大きなリュックを背負った重装備で並んでいた。目当てはコスプレイヤーを写真に収めること。

「もう何年も応援しているレイヤーさん(コスプレイヤーのこと)に直接会うのが楽しみ。コロナ期間はずっとSNSや動画配信で交流していて、生で会うのは3年ぶり。SNSではメッセージのやり取りをしていたので、以前より親しくなれている気がするけど、直接会うとなると緊張するし、うれしいです」

 会場内に入ってからも、人の列は続く。係員が「左側通行です。前の人に続いてください」と動線を指定し、自由に身動きが取れないほどの混みようだ。ようやくたどり着いた販売エリアもごった返していた。早くも“戦利品”の紙袋を多数抱えた30代男性は静岡県から泊まりがけで来場し、朝早くから行列して入場したという。

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撮影は「1対1」の新ルール