※写真はイメージ(gettyimages)
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 8月11日公開の映画「TANG タング」で、記憶をなくしたロボットのタングと冒険に出る人生迷子のダメ男を演じる二宮和也さん。その場にはいない“ロボット”との共演は、面白い体験だったという。AERA 2022年8月15-22日合併号から。

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――映画「TANG タング」で二宮が演じるのは、ある出来事によって自信を喪失し、ゲーム三昧(ざんまい)の自堕落(じだらく)な日々を送るダメ男、健だ。そんな健が、突然庭に現れた迷子の旧式ロボット、タングと冒険に出て、思いがけない「人生の宝物」を見つける。

 ヨタヨタと健の後ろを歩く愛らしいタングを始め、物語の舞台となる近未来を、日本を代表するVFXチーム「白組」が邦画史上最高峰の技術で作り上げる。そんな世界の中で繰り広げられるタングとの“共演”は、「面白い体験だった」と語る。

■公開が2年先になる

二宮和也(以下、二宮):僕自身、ここまでのファンタジー作品に触れたことがなかったですし、実際にはいないタングを想像しながら演じるのは、面白い経験でした。あとから僕の動きに合わせてCGをつけてくれるので、言ってしまえば、僕は一人芝居でいいわけです。そういう意味では、どんな反応が返ってくるかわからない人間相手よりも、むしろやりやすかったですね。

 そうは言っても、僕が勝手に動いていいわけではありません。タングを動かすチームと「タングはAからBまでこれくらいの速さで動く想定です」とか、常に細かく設定を共有しながら撮影を進めました。「想定している動きと違うことをした場合は、公開が2年先になります」と、暗に「勝手な動きはやめろ」と釘を刺されたりもしながら(笑)。

 また、タングは足が短いので、3歩分が僕の1歩くらいなんです。最初、健はタングに思い入れがないので、「ついてこないでくれ」というスピード感で歩きたい。けど、それだとホントに離れてしまうから、「じゃあ、どう歩く?」「でも、ロボットだから探知してついてこられるんじゃない?」みたいな話し合いも結構しました。今回はファンタジーの世界なので、それほどリアリティーは考えなかったけれど、嘘はつきたくない。監督の演出に応えられるよう、必死でついていった印象です。

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