安倍晋三元首相銃撃事件から1週間以上が経過した今年7月17日に、公明党所属の盛月寿美(もりづき・ひろみ)静岡県議会議員が旧統一教会の関連団体が主催するイベントに出席していたことがわかった。政治家と旧統一教会との関係は連日報じられているが、銃撃事件後、それも1週間以上が経過して多数の報道がなされているなかでのイベント参加が明らかになるのは異例だ。
【写真】旧統一教会の国際合同結婚式は、かつてニューヨークでも行われていた
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イベントは、旧統一教会の関連団体・世界平和女性連合(WFWP)が主催した「留学生日本語弁論大会静岡県大会」。WFWPのホームページによると14人の応募があり、9人が本選に出場したという。
WFWPは表向き、教育支援や女性の経済的自立支援、女性の地位向上などをテーマに活動するNGOだとしているが、その実態は旧統一教会のダミー組織だという。長年、旧統一教会問題に取り組んできた全国霊感商法対策弁護士連絡会の代表世話人・山口広弁護士がこう解説する。
「WFWPは、旧統一教会が正体隠しに使っている団体のひとつです。こうした団体の活動やイベントを通して一般の市民と親しくなり、宗教活動へと勧誘する。つまり、献金をさせる対象とすることを狙っています。統一教会の関連団体であることを隠して機関誌にタレントを登場させ、宣伝に利用することもやっていました。また、活動をテコに政治家に取り入ることで、霊感商法の摘発対策や、統一教会が目指す政策実現につなげる思惑を持っていることも間違いありません」
盛月県議は自身のブログに、イベントに参加したことを写真付きで投稿していたが、のちに削除している。
■「ブログ記事を削除しました」
盛月県議はAERAの取材に対し、文書で回答を寄せた。イベントには「以前からお付き合いのある知人からお声がけいただき、参加しました」とし、WFWPが旧統一教会の関連団体とは知らなかったと説明した。
「WFWPが旧統一教会系の団体であったことは、今月に入り党からの注意喚起がありはじめて認識しました。イベント主催団体が旧統一教会の関連団体であったことを知り、大変遺憾なことでしたので、ブログ記事を削除しました」
「(旧統一教会やその関連団体とは)今後一切関係を持ちません」