室井佑月・作家
室井佑月・作家

 作家・室井佑月氏は、旧統一教会と自民党との関係について、国として徹底的に調査すべきだと指摘する。

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 自民党の福田達夫総務会長は記者会見で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と自民党所属議員の関係について聞かれ、

「何が問題なのか、僕はよく分からない」

 と答えた。

 教団の関連団体が開催したイベントで実行委員長を務めていた自民党の二之湯智・国家公安委員長は、会見でこのことを問われると、

「ちょっと名前を貸して欲しいというので貸した。よく知らない」

 と答えた。

 茂木敏充幹事長は、教団が「社会的に問題が指摘される団体」とした上で、「自民党として組織的関係がないことをしっかり確認している。党としては一切、関係がない」と答えた。

 岸信夫防衛相は、

「付き合いもあるし、選挙の際に手伝ってもらっている」と述べ、

「(選挙の際、手伝ってもらうのは)あくまでもボランティアという形なので、次の選挙でどうなるかはお答えできない」「選挙なので支援者を多く集めることは必要なことだと思う」

 木原誠二官房副長官は、公明党の北側一雄中央幹事会会長が、旧統一教会を「反社会的な団体」と指摘したことを受け、「反社会的勢力という言葉をあらかじめ限定的、統一的に定義することは困難であり、答えを差し控えたい」と答えた。

 なんだか絶望感が酷(ひど)くなる。政権与党で、教団と関わりを持っている議員が多く、日本のなにかを決める中心にいる人たちがこれか。

 全国霊感商法対策弁護士連絡会の発表によると、被害総額は35年間で1237億円。でも、これは洗脳が解け、被害を届けられた人の損害だ。安倍元首相を銃撃した山上の母のように、1億円もの献金をし、破産をしても、まだ年金まで差し出す信者もいる。なので被害額として出された1237億円は氷山の一角、実態は1兆円を超えるのではないか、といっている専門家もいる。

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室井佑月

室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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