
「EVANGELION CROSSING EXPO—エヴァンゲリオン大博覧会—」が8月26日まで東京・渋谷ヒカリエで開催中だ。テレビ放送開始から27年を経て、いまだファンを魅了し続ける「エヴァンゲリオン」。厳選されたエヴァの“モノ”と“コト”を集めた「エヴァ大博覧会」から、進化する作品×プロダクトの秘密に迫る。AERA 2022年8月15-22日合併号より紹介する。
【写真】4千点を超えるエヴァプロダクトを集めた会場は見どころ満載
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会場は紫と緑の“エヴァカラー”で満たされていた。フィギュアに食品、オートバイにスポーツカー、凝った装飾のパチンコ台や壁一面に飾られたTシャツなど、総数4千点を超える展示物に圧倒される。
「実は正確な数はまだ数えていないんです。しかもこれは倉庫にあるごくごく一部。ライセンス商品はおそらく4万点を超しているのではないでしょうか」
と笑いながら話すのは、エヴァンゲリオン(以下、エヴァ)の版権を管理するグラウンドワークス:の神村靖宏さん。エヴァの生みの親・庵野秀明監督とは学生時代からの「オタク友達」。1995年のテレビシリーズ放映時から、様々な局面でエヴァに関わってきた。
■はじまりは缶コーヒー
ここでエヴァを知らない方のために相当にざっくりと内容を紹介しよう。人類の半数が死滅した大災害「セカンドインパクト」後の世界。巨大な汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオンのパイロットとして謎の敵「使徒」と戦う14歳の少年少女の運命が描かれる。謎の多いストーリー、登場人物の深い心理描写やスタイリッシュな映像表現でアニメーションの新時代を切り開き、2021年に公開された「シン・エヴァンゲリオン劇場版」は興行収入102億円を突破する大ヒット。作品が完結したいまもエヴァに関わる“モノ”と“コト”は企画・開発され続け、新たなファンを獲得している。

アニメーション作品の製品化といえばプラモデルやフィギュア、キャラクターグッズが一般的だ。しかしエヴァはそれに留まらず、あらゆる業種の企業や商品とコラボレーションしている。原点のひとつと言えるのが97年に「UCCミルクコーヒー」とコラボした「エヴァ缶」だ。記者も中身を抜いた缶を職場の机に飾っていた(懐かしい……)。