さらに、ダイアゴナル・エクササイズは、片方の手と足の2点で体を支えるもの。床に四つんばいになり、両手と両ひざを床につける。右手をまっすぐ前に、水平方向に伸ばし、左足を後ろに、水平方向に伸ばして上げる。
床につき、体を支えるのは左手と右ひざだけ。3秒停止し、元の四つんばいに戻す。次は逆に、左手と右足を同様に水平方向に上げて、右手と左ひざで体を支える。3秒停止して、元に戻す。これらを10回繰り返す。
「例えば、ゴルフやテニスなどのスポーツを90歳になってもやりたければ、ダイアゴナル・エクササイズ。50、60代のうちから、やれるようにしておくといい」(同)
こうした筋トレは継続が大切だが、それだけでは十分でないという。40歳くらいから、筋肉量が毎年1~1.2%減少する。筋肉の原料となるのが、たんぱく質だ。
「日本人はたんぱく質の摂取量が足りない。しっかりとっていただきたい」(同)
いまある筋肉を維持するだけなら体重1キロあたり、たんぱく質1グラムが必要。さらに、筋肉を増やして「貯筋」するなら、たんぱく質1.2グラムが目安になるという。体重70キロで貯筋するなら、たんぱく質が84グラム必要だが、おおざっぱに80グラムを目安と考えよう。
鎌田さんの概算では、肉類や魚類100グラムをとると、たんぱく質が約20グラムとれる。卵1個で約6グラム、牛乳はコップ1杯で約7グラム、ヨーグルト100グラムで約4グラムなど。
たんぱく質は、女性で65グラム、男性で80グラムを目安にしてみよう。
「注意するべきなのは朝食を抜かないこと。朝食で20グラムぐらいはとれる。朝もしっかり、たんぱく質をとることが貯筋に大事」(同)
紹介しきれなかった筋トレのメニューは、著書の『60代からの鎌田式ズボラ筋トレ』(エクスナレッジ)に盛り込まれている。こうしたメニューを実践していけば「95歳になっても一人で温泉に行ける」と、鎌田さんは笑う。(本誌・浅井秀樹)
※週刊朝日 2022年1月7・14日合併号