漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「赤ちゃんパンダ365日 カワイイところ全部見せますスペシャル」(BS-TBS 2021年12月18日[土]20:00~)と「ごろごろパンダ日記」(NHK BSプレミアム)をウォッチした。
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今週のお題は「パンダ」。はたしてちょうどよくパンダの番組なんてあるものか。ありました。なんと2本もありました。
「赤ちゃんパンダ365日 カワイイところ全部見せますスペシャル」(BS-TBS)。和歌山「アドベンチャーワールド」のパンダ・楓浜の誕生から現在までを記録した番組だ。目が開いた~、寝返り打った~、歯がはえた~、ころんだ~。パンダの可愛いという要素全てでぶん殴ってくる。
かたや「ごろごろパンダ日記」(NHK BSプレミアム)に登場するのは、神戸の王子動物園にいるタンタン(26歳)。
ほら真夜中にまったりとしたBGMと共に、ひたすらアルプスの空撮とか、知らないヨーロッパの街角とか流れてるヤツあるでしょ? あまりに安らかすぎて、むしろ目がさえてくるヤツ。
あれのパンダ版だ。ナレーション無し、テロップ無し。ただ音楽とパンダ、時々飼育員。カーリコーリ、シャックシャック。パンダの咀嚼(そしゃく)音。
濡(ぬ)れた鼻、ゆれる腹。床に落ちている抜け毛のかたまりにズームイン。そんな究極のパンダフェチ映像を凝視していると、ふいに黒柳徹子の霊(生霊です)が降りてくる。
パンダと言えば徹子、徹子と言えばパンダ。子供の頃、NY帰りの叔父さんからもらったパンダのぬいぐるみ。彼女のパンダ愛は始まった。いまだに徹子を超えるパンダ薀蓄(うんちく)を聞いたことがない。
「パンダは赤ちゃんの時はタラコみたい。うっすらとタラコに毛が生えたみたいなの」
雌雄を判別するのが非常に難しいというパンダ。しかし徹子は知っている。
「パンダのアレは竹の節のような感じのものでね、(交尾したら)すぐまた引っ込む。鳩(はと)時計みたいに」。むしろ徹子の頭のタマネギから鳩がポッポーと出てきそうなのだ。