1月18日、エストニアの首都タリンでフィギュアスケート四大陸選手権が開幕する(競技開始は20日)。
四大陸とは、アジア・オセアニア・アフリカ・アメリカを指す。ヨーロッパの選手のみが出場する欧州選手権に対応する形で、1999年に始まった大会だ。歴史は浅いが、国際スケート連盟による格付けでは世界選手権に次ぐ位置の大会とされる。
昨年は、新型コロナの世界的大流行により中止。今回も、当初の開催地である中国・天津から「運営不可能」との申し入れがあり、一時は開催が危ぶまれた。域内では代替地が決まらず、同格の欧州選手権(1月10日~16日)が行われるタリンにおいて、会場をそのまま引き継いで開催される。「四大陸選手権」でありながら、欧州の都市で開催されるという異例の形だ。
同大会の男女シングルでは、これまでも多くの日本人選手が活躍してきた。男子の初代王者は本田武史。女子も、浅田真央や安藤美姫、松永(旧姓太田)由希奈などが優勝している。
しかし、ことアイスダンスとなると、北米が圧倒的な成績を収めてきた。ここまで22回開催、66個のメダルのうち、カナダの獲得数は28個、アメリカが37個。北米総計で65個と、ほぼ独占状態だ。
2国以外で表彰台に上ったのは、日本の村元哉中/クリス・リードの1組だけ。村元・リード組は、2018年台北で行われた同大会で銅メダルに輝き、結成3季目にして快挙を成し遂げた。ここで自信をつけた2人は、翌月の平昌五輪で15位、続く世界選手権では11位と、相次いで日本人最高位タイとなる成績を獲得する。四大陸選手権は、村元にとって飛躍の足掛かりとなった大会なのである。
ちなみに、村元の現パートナー高橋大輔は、同大会の男子シングルで、優勝2回を含むメダル4個を獲得している。村元、高橋ともに、四大陸選手権の表彰台は馴染みのある場所、というわけだ。