日本一のマグロを使う
長尾社長に「イチオシメニュー」を問うと、躊躇(ちゅうちょ)なく「本マグロ」を挙げた。すしネタには、「日本一」と言われる豊洲市場のマグロ専門仲卸「やま幸」のマグロを使っている。
「回転ずし店でやま幸さんのマグロを使っているのは、うちだけだと思います。21年と22年の連続で、豊洲市場の初セリで、やま幸さんの一番マグロを落札させていただきました」
気になるのは、やはりお値段。客単価は4500~5千円といい、回転ずしとしては高めだ。とはいえ、銀座の店だと3万円からというから、これと同水準のすしが味わえると思えばお得感がある。
目につくのが、お店の約7割を占めるという女性客だ。
「おいしいおすしを食べたいという女性のお客様が多い印象があります。表参道に出店するということで、おしゃれな店にしたいというコンセプトとも合致したのかなと思います」(同)
店の奥には、回転ずし店には珍しい個室もつくった。アフターコロナも見据え、多様なニーズに応じる態勢を整えている。
「表参道はランチの店が多いという印象があります。今後は夜の営業も充実させたいと考えています」(同)
回転ずしチェーンもこのエリアに目を向ける。大手の「くら寿司(ずし)」も昨年12月、原宿にZ世代向けの新店舗をオープンした。
“世界一映える寿司屋”を目指し、クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏がプロデュースした。コンセプトは「日本の伝統文化×トウキョウ・ポップカルチャー」。様々な色に光る「カラフル提灯(ちょうちん)ウォール」や、近未来的な「スイーツ屋台」、巨大浮世絵からロゴウォールまでフォトスポットが満載だ。客単価は1500円前後を想定しているという。
リベンジ消費を狙え
くら寿司は都心の駅前に積極出店しており、ファミリー層以外のお客の取り込みに余念がない。とりわけ、Z世代の聖地ともいわれる原宿に開いた新店にかける期待は大きい。
「流行や消費の新たな担い手と言われるZ世代はコロナ禍でも外食意欲が高く、アフターコロナに向けてリベンジ消費の担い手になる可能性も大きいと考えています」(広報担当者)